「夕凪の街 桜の国」

夕凪の街 桜の国 [DVD]

夕凪の街 桜の国 [DVD]


出演:田中麗奈 麻生久美子 吉沢悠 中越典子 伊崎充則 金井勇太 藤村志保 堺正章
監督:佐々部清


原爆投下後13年。漸く復興の見えてきた広島と。現代に生きる二人の女性を通して描く戦争についてのお話。

昭和33年、原爆を体験した皆実は母のフジミと二人慎ましく生きていた。勤め先の打越に淡い恋心を
抱く。そんな打越も皆実に愛を告白するが、生き残った罪悪感に苛まれる皆実は素直に受け止められない。
そして−。(夕凪の街)


平成19年、定年を迎えた父の行動を怪訝に思う七波と弟の凪生。ある晩、父がこっそり出ていくのを
発見して七波は後をつけていく。
途中の駅で出会った、昔の友達の東子を巻き込み向かった先は広島だった。(桜の国)



原作は後輩Kちゃんに借りました。何処か気の抜けた世界なのに、テーマは重くいつまでも心に残る。
残酷な、リアルな絵ではない。それなのに、この強烈な読後感は何なのだろう。
しっかりと訴えてくる想い。


皆実さんの「ねえ、嬉しい?原爆を落とした人は−」のセリフは。
漫画も映画も涙無しでは聞けない。


人が人の命を決めて良い物でない。
では、あの国では、「原爆投下」と言う事実はどう言うことなのだろう。
忘れられないあの事件も、この歴史的事実も同じではないのか。
決して英雄なんかじゃない。そう思ってしまう。
残された人の想いは同じ筈なのに。


今も世界では同じ事が繰り返されている。


命の重さを、想像できない悲しさがある事を現実として受け止めなければならないニュースが今日もテレビから聞こえている。