「クワイエットルームにようこそ」


出演:内田有紀 蒼井優 宮藤官久郎 りょう 妻夫木聡 大竹しのぶ 中村優子 高橋真唯 宍戸美和公 平岩紙
監督:松尾スズキ


佐倉明日香、28歳、バツイチのフリーライター
仕事に追われ、同棲中の人気放送作家の恋人ともすれ違いの日々。
そんなある日、目が覚めたら知らない部屋に拘束されている自分が居た・・・。
其処はクワイエットルームと呼ばれる、人に迷惑をかけたり自分の命を粗末にする人を閉じこめておく部屋。
なぜ、自分は此処にいるのか!?
失われた記憶と、生きる道を探る再生の14日間の物語。




ずっと楽しみにしていた映画の一本。
まず、思ったのが。
人間が生きていると言う事は、本当に奇跡的に微妙なラインの上に居る、と言う事。
自分がいつ、あっち側に言ってもおかしくないんだ、と言う事。
戻りたくても、戻れない人の苦悩がある、と言う事。


いろいろと大変な映画だった。
中村さんは「ストロベリーショートケイクス」の時もそうでしたが、何だってああ言う一見普通なのに
内面はとても危険すれすれの人を演じているのでしょう。(ラストは怖かったよ)
見ていると不安を感じる人というのか・・・。素晴らしい役者さんなのです。
優ちゃんも怖かった。正常を装う異常というか。その分、ガラス越しの涙が忘れられない。
戻りたくても、戻れない、その道に足がすくんで動けない。そんな涙でした。
でもきっと、明日香と出会えたことで、ミキはその道への一歩を踏み出したのでは。


りょう演じるナースの江口さんが煙草をくれるシーンも、何故か忘れがたいです。
素晴らしい作品でした。明るさと、悲痛が絶妙に入り交じる。
松尾さんは只の気持ち悪いおっさんでは無いことを痛感。(図鑑・・・の印象が強すぎる)


途中、すっごい吹き出すくらい可笑しいシーンがあったのですが。何故か思い出せません。(笑)